施設園芸環境向け無線センサノード PiNode

作成日:2020/03/31
最終更新日:2022/09/19

施設園芸環境向け無線センサノード PiNode

作成日:2020/03/31
最終更新日:2022/09/19

概要

圃場において IoT 関連技術を用いてデータ収集を行うとき、IoT 機器の多くは常温常湿環境下においてのみ動作保証されるため安定したデータ収集が困難です。 夏季の施設園芸環境下では、太陽からの輻射熱の影響でヒートシンクやファンによって空冷していたとしても IoT 機器が動作停止してしまいました。 そこで、水滴滴下装置[1]を開発して、直接液冷を用いることで安定動作を実現できましたが、水の補充が大変な作業であり大量導入が難しいことがわかりました。

そこで、耐熱性のある Raspberry Pi Zero WとP920センサノードを基にしたカメラ付き無線センサノード(以降、PiNode と呼ぶ)とPiNodeを最大4台収容する無線LANルーター(以降、PiNode-WRT と呼ぶ)を研究開発しました[2]。 PiNode と PiNode-WRT は、環境データだけでなく植物の草姿画像も収集するため、無線通信に IEEE 802.11g を採用しました。 なお、Raspberry Pi自体は汎用的な装置であるため,接続するセンサを変更することでCO2といった他のデータも容易に収集できます。

本システムは、夏季の施設園芸栽培における基礎実験で 15 日間の連続データ収集を実現し、冬季の施設園芸栽培でも収穫までの約 4 ケ月間の連続データ収集を実現し、今後の利活用に期待できます。

PiNode 及び PiNode-WRT は静岡大学大学院 総合科学技術研究科在籍時に峰野研究室[3]で研究開発した成果です。

PiNode
図1. PiNode

PiNodeの作成方法

峰野研究室が管理しているGitHubのページ[4]にPiNodeとPiNode-WRTの作成方法をまとめています。

参考文献

  1. 小野田晃久, 峰野博史, 施設園芸環境での民生機器 運用向け水滴下装置の開発, 発表予稿集 : 情報学ワークショップ, no. 16, Nov. 2018
  2. 小野田晃久, 峰野博史, 施設園芸環境向け無線センサノードの開発, 農業情報学会2020年度年次大会講演要旨集, vol. 2020, pp. 162-163, May. 2020
  3. 静岡大学情報学部 峰野研究室, 静岡大学情報学部 峰野研究室, 静岡大学情報学部 峰野研究室, 2007-2022
  4. MinenoLab, MinenoLab /pinode, MinenoLab · GitHub, 2017-2022